「幸運、それとも努力のおかげ?」― アリーゼ・コルネ

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公開日 2022年08月29日

ウィンブルドンでアリーゼ・コルネが、グランドスラムの女子シングルス連続出場記録に並んだとき、この16年の間に大きな怪我をしなかったことを幸運だったと思うかどうか尋ねられました。

62回連続のグランドスラム出場中の、フランス出身で32歳になるコルネは、「幸運、それとも努力のおかげかしら?」と笑顔で答えました。「その両方だと思います。 体力的にはかなり良い状態で、それを維持するためによくジムでトレーニングしています。毎日のトレーニングをしっかりこなしていて、それが実を結んだのだと思います。だからこそ大きな怪我をすることもなく、ここまでこれました。できる限りこのまま、長くプレーしていけたらと思います。」

アリーゼ・コルネが真剣に取り組む姿勢は、バボラと通ずるものがあります。1875年からテニス事業に携わり、スポーツ界で長い歴史を持つバボラこそ、長く現役生活を続ける彼女のためにラケットを提供するのは、まさにうってつけと言えるでしょう。

「意識はしていませんでした」

ピュア ストライクを使用しているコルネは、今夏の全米オープンで、グランドスラム大会の女子連続出場記録を更新する見込みです。 現在は、1994年のウィンブルドンから2009年全米オープンまで62大会連続出場した杉山愛さんの記録に並んでいます。 ちなみに、男子のグランドスラム大会シングルス連続出場記録は、フェリシアーノ・ロペスの79回です。
 

前回コルネが欠場したグランドスラムは、2006年の全米オープンでした。当然ながら彼女は、自らの連続出場記録に誇りを持っています。コルネは、「正直、意識はしていませんでした。それ自体を目標にしていませんでした。でも、今はとても誇らしく感じます。長年着実にやって来たという証ですからね」と語っています。

2007年に世界トップ100にランクインして以来、2012年の最初の3ヶ月間を除いて、コルネは100位以内をキープしています。WTA大会のシングルスで6回優勝、ビリー・ジーン・キング・カップのプレーオフに21回出場し、キャリアハイは11位。フランス代表としてオリンピックにも4回出場しています。

 

「終わりに近づいている」

 

コルネには、特に印象に残っているウィンブルドンでの試合が2つあります。2014年にはセリーナ・ウィリアムズを敗り、そして今年は新たに世界ナンバーワンとなったイガ・シフィオンテクの37連勝に終止符を打ったのです。「例えるなら、私はいいワインです。良いワインは熟成していきます。今までのキャリアで今シーズンが最高のパフォーマンスが発揮できています。コートでプレーしているときは最高の気持ちで、とても楽しく、体力的にも調子は上々です」と話します。
 

なぜ、このような金星を挙げることができているのでしょうか?「おそらく、自分が劣勢の時こそリラックスできているんだと思います。失うものはないと思えると、力が発揮できるタイプなんですね。リラックスもできて、いいショットが打てるようになるんです」。
それでも、ガルビネ・ムグルサやシモナ・ハレプを撃破した今年の全豪オープンまで、グランドスラムの準々決勝に進出したことはありませんでした。「各グランドスラム大会で4回戦までは行ったことがあるのですが、それより勝ち上がることはできませんでした」とコルネは語っています。「プレーが安定していなくて、4、5試合続けて勝つことができなかったんです。でも、全豪でその壁を乗り越えられて、本当にうれしいです」。
 

具体的な引退計画はないというものの、アリーゼ・コルネは来年のローランギャロスが最後の大会になるかもしれないと考えています。「今、これだけ調子がいいのは、(キャリアの)終わりに近づいていると思っているから。全力を懸けています」と、説明します。