バボラのナチュラルストリングは、フランスの生きる伝説。

その始まりの頃からテニスに大きな影響を与え、バボラの英知と情熱、そして先見が生み出した芸術ともいえるストリングの物語・・・それが究極のVSナチュラルストリングです。

バボラのストリングの歴史は、テニスをはじめ、バドミントンやスカッシュなど、ラケットスポーツの歴史といってもいいでしょう。その有名な「VS」のイニシャルは、何十年にも渡り、伝説を作り続けてきた偉大なチャンピオンたちの数々の勝利と涙、そして喜びの叫びを永遠に結びつけるシンボルなのです。

バボラのナチュラルストリングが誕生したのは1875年。テニスがまだ「ローンテニス」と呼ばれていた頃です。しかし、バボラのナチュラルストリングは、時代遅れになったことはありません。初の製品化以来、主力製品の改良を重ね、天然ガットの処理技術を磨くことで、ますます高まるチャンピオンたちの要求に応え、進化し続けるテニスの課題に対応してきました。

1つのナチュラルストリングを作るには4週間かかります。天然素材であるガット(腸)をストリングに変えるというプロセスは、正確さと細心の注意が求められる極めて繊細な作業なのです。「生の腸から製品になるまで、すべて自社でおこなっています。テニスであれ、バドミントンであれ、世界最高水準のストリングがここで作られているというのが、製造チーム全体の誇りなのです」とブルターニュ(フランス)のプロエルメル生産拠点のディレクター、エルワン・グリモーは述べています。

伝説とは異なる事実。

 

ストリングは猫の腸からできているという話を聞いたことがありますか?バボラでは猫の腸は使ったことはありませんが、実はこれは、英国生まれの古い伝説です。その昔、中世の抒情詩を歌うウェールズの吟遊詩人がたずさえていた一弦楽器がありました。それを弓で弾くと「ミャー」という音を奏でるので、人々はその楽器を「キャット」と呼ぶようになったとか。さらに動物の「腸」からできた弦が「ガット」と翻訳されたため、それを「キャット・ガット」と呼ぶようになり、そこから伝説が広まったようです。ではバボラでは何を使ったのかというと、テニスとバドミントン用の最初のストリングには、羊の腸を使いました。1960年代以降には、牛の腸を使うようになりましたが、ラケット1本分のストリングを作るには2頭分の牛の腸が必要になります。

テニスの歴史を確かに刻んできたVとSの2つのイニシャル。その背景にはいったいどんな物語があったのでしょうか?VSとは、バボラのVSナチュラルストリングの頭文字ですが、ナチュラルストリングの品質を改良し続けたバボラが、そのシリーズごとに割り振ったアルファベットがルーツになっています。1920年代、アングロサクソン諸国で発展し、世界中に広まったテニス。バボラはやがて、有名なテニスの四銃士(コシェ、ラコステ、ボロトラ、ブルニョン)と協力し、彼らとのやりとりのなかからVS品質を実現しました。VシリーズはVスペリオールとなり、デビスカップにおけるフランスの勝利により、ラケットのストリングとして、初のブランド名となりました。これがVSの伝説の始まりです。

ナチュラルストリングならではの卓越した品質。

 

ナチュラルストリングは自然の素材でできており、原料となるバンド(帯状の牛の腸)は、乾燥したコラーゲンでできています。ナチュラルな構造を活かしているだけに、ストリンギングの際の取り扱いには十分な注意が必要です。業務用のストリンギングマシンを使って、メインとクロス間のねじれや必要以上の摩擦を防ぎながら慎重に張っていかなければなりません。プレミアムなストリンギングを提供するスペシャリストには、こうした高度で専門的なスキルが求められるのです。

VSストリングはバボラ・ブランドのシンボル。

 

他社の追随を許さない技術と品質を誇るバボラのVSストリングは、140年以上に渡って改良を重ね、つねにトップクラスの性能を維持し、プレーヤーの要求に応え続けてきました。エリック・バボラはその歩みを振り返り、次のように述べています。「私の曾祖父は、1875年、リヨンで天然素材を使ったテニスのストリングを発明しました。現在、私たちの工場はブルターニュ(フランス)のプロエルメルという、原材料の仕入れ先である食肉処理場地域に近い場所にあります。この工場を設立してから今年で40周年を迎えますが、25名の男女からなる専門スタッフが、バボラとバボラVSの原点である『ボヤウディール(腸ストリングのプロ)』としての使命を担い、日々、情熱的に取り組んでいま