PURE AEROは
新世代へ

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公開日 2022年08月25日

さらに進化を遂げた究極のスピン!

テニス界を牽引する世界の若手選手たちが、新しいPURE AERO(ピュアアエロ)ラケットの発売を支えています。ラファエル・ナダルの代名詞でもあるPURE AEROシリーズが、新たなデザインと7つの新規モデルを携えてアップデートされ、発売されます。今回はナダルのみならず、カルロス・アルカラス、フェリックス・オジェ-アリアシム、ホルガ・ルーネ、レイラ・フェルナンデスなどの新進気鋭の若手選手含むすべてのプレイヤーのニーズに対応するラケット展開ができていることが大きなポイントです。

新しいシリーズは、プレイヤーによって様々なスピンが存在すること、またスピンの種類に応じてラケットのニーズも異なることを念頭に、それら一つひとつニーズに応え、誰もが「自分のスピンを極められる」ように作られました。
 

バボラの柱の一つ、スピン

 

2000年代初頭からバボラのラケット開発には核となる3つの柱があります。パワー、スピン、そしてコントロール。一番大事なツールであるラケットに、テニス選手が求めているものを反映するにとどまらず、バボラは20年以上前からテニスの進化においてスピンが重要性を増すであろうと予測し、1875年より家族経営で製造していたストリングの効果を最大限引き出すフレームの開発に着手しました。

以来バボラは3つの柱を守ってきました。「パワー」は現在進行形で開発されているPURE DRIVE(カラー:青)、「スピン」はPURE AEROシリーズ(カラー:黄色)、そして「コントロール」、特に攻撃的なテニスを対戦相手のパワーを利用して実現する能力はPURE STRIKEシリーズ(カラー:赤/白)というように、それぞれが開発の基盤になっています。

今後柱の一つである「スピン」には、フットウェアも含まれることになりました。「“360 アプローチ”なるものを開発しました」と話すバボラのテニスグループ・マーケティング・マネージャー、オリビエ・カルリエ。「最大スピンを生み出すための一連のラケットの動きという意味があります。“360 アプローチ”はラケット、ストリング、シューズの組み合わせのことです。ストリングの密着性はインパクト後のボール回転を可能にするグリップ、エアロダイナミック・フレームがボールを弾き上げる力を最大限引き出します。そしてスピンを生み出すためには体の回転も必要で、安定した着地、すなわちシューズこそが重要なのです。だからこそ、バボラは近年シューズに力を入れているのです」。
 

 

PURE AERO新世代

 

お気に入りの象徴的な色で彩られたナダル選手自身の特徴的なラケットも含め、新PURE AEROシリーズは7本のラケットで構成されています。PURE AERO 98、PURE AERO、PURE AERO +、PURE AERO TEAM、PURE AERO LITE、そしてジュニアラケット2本(JR26およびJR25)。すべてのラケットが進化するプレースタイルを念頭に開発されています。
 

選手がベースラインでプレーするスタイルの場合、対戦相手が深いボールを打ってきた時、バウンドしてすぐのボールを打ち返すことになります。このようなタイプの選手は、ボールに大きく跳ね返りをつけるため(あるいはスライスの場合は跳ね返りを減らすため)、また、より鋭い角度をつけるため、重いトップスピンがかかったボールの軌道をコントロールするためにスピンが必要なのです。アルカラスやオジェ-アリアシムがこのタイプに該当します。

パワーを最大限引き出すために、一番高い位置からボールを打つ選手も多いですが、そういう選手は弾道をコントロールするためにスピンを必要とします。レイラ・フェルナンデス、ダニエル・コリンズ、ジェニファー・ブレイディ、ブノワ・ペール、ジョー=ウィルフリード・ツォンガなどがその選手プロフィールに当てはまり、このタイプはプロを目指す競技志向の選手に多いです。

そして、ラファエル・ナダルがいます。ナダルの安定したスピンの回転数に及ぶ選手がいなく、彼単独のカテゴリーと言っても過言ではありません(いるならば、フォアハンドでジャック・ソック)。一番高い位置から落ちてきたところを狙うナダルのスタイルだと、深い位置にいながらも比較的高い位置からボールを打つことができます。


PURE AERO 98

 

ベースラインプレイヤーを意識したラケットがPURE AERO 98です。PURE AERO VSの後継モデルと言えます。2020年に発売されたPURE AERO VSはPURE AEROに基づいて、ヘッドサイズを少し小さくし、正確性を向上させる様々な機能が搭載されたモデルです。(PURE DRIVEおよびPURE STRIKEシリーズにもVSモデルが存在します。)

305グラムと、シリーズ内では最も重いモデルながら、ヘッドサイズは少し小さめに設計されています。98は、スタンダードサイズの100インチとは異なり、「98インチ」のヘッドサイズが由来となっています。重さの配分もわずかに異なり、加えてすべてのPURE AEROラケットのストリングのパターンが16 x 19であるのに対し、PURE AERO 98はより集中したパターン(16 x 20)を採用しているため、コントロール性が向上しています。

 

PURE AERO, PURE AERO TEAM, PURE AERO LITEおよびPURE AERO +

 

PURE AEROシリーズの他の4本は、バウンドの頂点でボールを捉えるプレイヤーを想定して設計されています。100インチのヘッドサイズは共通していますが、重さは最大で15グラムの差があります。PURE AEROが300グラム、PURE AERO TEAMが285グラム、そしてPURE AERO LITEは270グラムです。PURE AERO +は、重さとバランス共にPURE AEROと実質的に同じですが、長めのハンドルを好むプレイヤーのために1.5センチ長く設計されています。プレーの特徴で言えば、TEAMとLITEはほぼ同一のため、プレイヤーが最も快適に振り抜ける重さで使い分けることが出来ます。

ストリングパターンは4本すべて16 x 19です。しかし、PURE AEROは少しセンターに集中したパターンであるのに対し、TEAMとLITEはパワーを向上させ、下方向軌道をアシストするオープンパターンで設計されています。TEAMとLITEはスピンを増幅させたいプレイヤーに、PURE AEROはコントロールを向上させ、軌道を安定させるパンチャースタイルのプレイヤーに向いています。

PURE AEROシリーズのフレームのビジュアルデザインにも象徴的な意味が込められています。「破片をイメージしたデザインとなっています」と語るオリビエ・カルリエ。「意図的にそうしました。新世代の選手たちが、テニスプレーに関する伝統的な概念をきっと覆すだろうと信じているので、このデザインは新世代が常識を打ち破って革新をもたらす様を表しています」。従来の黄色を残したまま、ダークグレーと所々にあしらわれた白で彩られています。

バボラは他にも新PURE AEROラケットに、衝撃吸収性と機械抵抗力に優れる天然素材の亜麻(リネン)繊維を導入し、腕の故障などにつながる振動の抑制を目指しました。 

NF²-Tech(ナチュラル・フラックス・フィルトレーション・テクノロジー)と呼ばれる小さな亜麻製パッチがPURE AEROのフレームの3時と9時の位置、そしてハンドルに装着されています。PURE AERO 98ではフレームの3時と9時の位置にのみパッチを装着して、ボールがストリングに与える衝撃の振動を手で感じ取りたいというプレイヤーのニーズにも応えます。打球感の向上だけでなく、亜麻製パッチは打球音にも変化をもたらしています。

PURE AERO、TEAMおよびLITEはハンドル部分の亜麻製パッチに加えて、ヘッドには少し異なる振動フィルタリング技術を盛り込んでいます。これは「SMACWRAP」という商品名で知られている粘弾性ゴムの層です。 
 

「新しいPURE AEROシリーズの開発において、バボラは徹底してプレイヤー視点に立って進めました」とオリビエ・カルリエは付け加えます。「プレイヤーやターゲットとなるグループとともに、バボララケットを扱いやすいと感じる要因について検証を行いました。現在のテニスプレイヤーにとって何が必要かを洗い出し、それらをターゲットのプレイヤーに実感してもらえるように開発を進めました。そうして誕生したのが、あらゆるスピンを適えるPURE AEROシリーズです。プレイヤーが最も自分のプレーに適していると感じるスピンを実現してくれます。」 

プロのテニス選手は、全米オープンシリーズのトーナメントが始まる8月初旬から新PURE AEROシリーズを使い始めています。多くのバボラ契約選手が自身のラケットをカスタマイズしているため、実際のプレー時のラケットとスポーツ店やオンラインで販売されているモデルは異なる可能性があります。

NEW PURE AERO シリーズ