体の鍛え方・使い方

バドミントンは最もタフなスポーツの1つです。そのため、プレーヤーはそれに対応できる体が必要です。ストラスブール(フランス北東部)にあるポール・エスポワール・バドミントンの代表であり、ASPTTS財団でキャプテンを務めるジュリアン・フックス氏は、バドミントンには、主に3つの体の機能を発達させる効果があると説明します。

• 循環系 

• 筋骨格系 

• 感覚神経能力

バドミントンはバランスの良いスポーツであるため、体力、協調性、関節可動性、注意力、柔軟性を高めることができます。娯楽として楽しんでも、プロとしてプレーをしても、バドミントンは体力づくりや健康維持に効果的です。

1. 循環系能力を高める効果:

バドミントンのコートは狭いですが運動量が多いため、他のラケットスポーツよりも心臓が活発に動き心拍数が上がります。
下記の能力向上には、有酸素運動が有効です。
● 持久力:トレーニングや試合の後に、体の疲労を素早く、適切に回復するのを助ける
● 練習:試合やトレーニングで最後まで体をしっかり動かせるようにする
長く続けられる運動をすることでも、持久力を高めることができます。シャドープレー、インターバルサーキット、アジリティラダー、自動シャトルマシンを使った練習など、コート上での動きをよくするための練習を行うとで最大限の力を発揮しやすくなります。

2. 筋骨格系機能を向上させる効果:
 

バドミントンでは、体のほぼすべての筋肉を使います。下肢(特に大腿部と臀部)や体幹、腹筋に大きな負担がかかります。バドミントンは、手や足の指先まで全身を使うスポーツです。ラケットを握ったり、離したりしなければならないので、頭の向きを変えられるのは最後の瞬間です。 

筋力やスピード、柔軟性を高める最善の方法は、体全体を使うようにトレーニングを組むことです。 

●    ハイレベルのプレーヤーの場合、ウェイトトレーニングと筋力トレーニングを行って筋肉を鍛える必要があります。体幹や筋肉を鍛えるトレーニングを含むすべてのエクササイズをバランスよく行いましょう。

●    手と足の動きを組み合わせたプランクを行い、静的かつ動的に筋肉を動かして体幹を鍛えます。また、横腹の筋肉を動かして腹斜筋を鍛えます。

●     ラケットを握ったり離したりするように、手を握ったり開いたりする練習を行い、手を鍛えます。その他、懸垂やデッドリフトをしたり、ダンベルやトレーニングチューブ、ステッキを使用したりして手を鍛えることもできます。

●    柔軟性を高めるには、曲げる、回す、伸ばすといった運動を行います。ヨガエクササイズや代替医療も効果がありますが、このような方法はバドミントンではまだ新しいものです。

これらのトレーニングを毎日行い、ベストな状態を維持することが重要です。トレーニングセッションの終わりにストレッチをするのを怠りがちですが、疲労回復を促すために、しっかりストレッチをすることが大切です。

3.感覚神経能力を向上させる効果:

バドミントンでは、戦略を立てる、集中する、協調するといった能力を高めることも出来ます。 

また、下記の能力の向上にも役立ちます。

●    視覚:シャトルをコートの左側に打ってから右側に打ったり、400 kmphの速さで飛んでくるシャトルを打ち返したりすることで、視覚能力と反射神経が向上します。

●    ストレス管理:あえて劣化したシャトルでプレーをしたり、暗い場所や通常のコートよりも狭い場所でプレーをしたりすることで、予期しない状況に備えます。そうすることで、自分自身やプレー環境がベストでない状況でも、落ち着いてプレーすることが出来ます。

●    自信:試合に勝ち、自分の長所や成長したところを考え、常に肯定的な言葉を使い、前向きな姿勢で取り組みます。

●    集中力:自分の強みに集中し、前向きな言葉を使い、良いイメージを思い出し、暗算などをして、個人的に集中力を高める練習をします。

バドミントンは見た目以上に、身体的にも精神的にも激しく、きついラケットスポーツの1つです。バドミントンを通して磨かれる能力は、日々の生活でも活かすこともできます。