ラファエル・ナダルにとって、家族がすべてです。
たとえば叔父のトニー・ナダルは、ラファにテニスを教え、長年彼のコーチを努めた後、家族の故郷であるマヨルカ島のマナコルで「ラファ・ナダル・アカデミー」の理事に着任しました。ナダルの母のアナ・マリア・ペレーラはラファ・ナダル財団の会長を、父のセバスチャンは副会長を、妻のマリア・フランシスカ・ペレロは事務局長をそれぞれ務めています。全仏オープンで14回の優勝を誇るラファのキャリアを支えてきたのは、彼のアカデミーの大勢のスタッフたちです。
家族経営という共通点を持つバボラが、ラファ・ナダル・アカデミーとパートナーシップを結び、成功を収めているのも自然なことのように感じられます。エリック・バボラが代表を務めるバボラは、1875年、ピエール・バボラ氏の曽祖父が創業した会社であり、長年勤続しているスタッフが数多くいます。

ラファ・ナダル・アカデミーの理事で、長年彼を近くでサポートしてきたカルロス・コスタは「同じような家族経営の会社であることが、相互理解を容易にしています」と言います。「同じような家族経営の会社であれば、同じ価値観を共有することができます。そしてお互いを尊重することが大切です。そこに携わる人々が重要だということです。その点で、バボラとラファ・ナダル・アカデミーは似ています。どちらも、経営者と直結していることを誰もが知っている組織です」
ラファ自身は、20年以上前に初めてバボラとグローバル契約を結んで以来パートナーシップを維持しています。この関係はラファのキャリアを通してとても大きな支えとなったので、2016年に開校した彼のアカデミーがバボラと提携することは自然な流れでした。
世界最高の選手たちによるテスト
パートナーシップにはさまざまな形があります。 バボラのグローバル・スポーツ・マーケティング・テニス・ディレクターであるジャン・クリストフ・ベルボルグは、「バボラはテニス用品でアカデミーをサポートしています」と言います。「バボラは、アカデミーにボールを提供し、すべてのコーチがバボラ用品を持っています。製品の研究開発に貴重な情報を提供してくれるコーチと協議するために、最近イノベーションチームの一部をアカデミーに派遣しました。バボラは、コートを行き来するプレーヤーたちにも気を配っています。私たちにとって重要な人たちです。」 さらに、アカデミーのすべてのプレーヤーには、自分のゲームに最も適したギアを見つけるために、バボラ製品を試す機会があります。

ラファ・ナダル・アカデミーはバボラにとっても特別なトレーニング拠点となっていて、世界中のバボラトーナメントで優勝したプレーヤーたちが定期的にここでトレーニングを行っています。マヨルカ島には多くのトッププレーヤーたちも訪れ、シーズン前の調整にアカデミーの施設を利用しています。
「私たちは、お互いのルーツを理解している」
ラファ・ナダル・アカデミーのコーチ陣は全員バボラのラケットとボールを使用しており、それらは施設内のショップでも販売されています。アカデミーはバボラ製品のテストにも深く関わっており、「世界最高の道具をつくるには、世界トップのプレーヤーに試してもらうのが1番」という考えを体現しています。また、アカデミーのコーチ陣はバボラが開催するクリニックにも参加し、各地で指導を行っています。
このアカデミーは、チャレンジャー、ITF、テニスヨーロッパなど、さまざまな大会を開催する重要なトーナメント会場となっています。コスタは「バボラはすべての大会を支援しており、使用球や優勝者への賞品を提供するほか、イベントと連動したプロモーションも行っています」と話しています。
バボラとアカデミーには共通の価値観がある、とヴァーボルグは言います。どちらも努力や専門性、誠実さ、スポーツへの情熱を大切にしており、テニスの魅力を広げながら、一人ひとりが持つ可能性を引き出すことを目指しています。
「私たちは、お互いのルーツをよく理解しています」とヴァーボルグは言います。「いつも現実を見据えて、謙虚さと誠実さを大切にしてきました。信頼と忠誠心が、私たちのパートナーシップのベースになっています。それが、良きパートナーでいられる理由なのです。」