「いつも、兄や姉に勝ちたがっていました。」

今のバドミントンスター選手の多くが、シングルスかダブルスのいずれかに絞っているなかで、クロエ・バーチは例外選手として有名だ。

24歳のこのイギリス人選手は、全英チャンピオンシップの女子シングルスで過去4年間続けて優勝し、ローレン・スミスとペアを組んだダブルスでは過去2年連続して優勝している。また、バーチとスミスは、延期された東京オリンピックの有力メダル候補に挙がっている。

バーチが国際的な舞台で初めて世界にその名を知らしめたのはシングルスの試合だった。2018年にオーストラリアのコモンウェルスゲームズで見せたバーチの素晴らしいパフォーマンスは、イギリスチームの銅メダル獲得に貢献した。現在、スミスとペアを組むダブルスでも成績を伸ばし、世界ランキング18位につけている。

今年行われる予定だった東京オリンピックにも出場する予定だったが、オリンピック開催が延期されるため、バーチとスミスは出場資格を得るために再び戦わなければならない。

しかし、クロエは代表選手になることに自信を持っている。「私たちは比較的に組んで新しいペアなので、もう1年経験が積めることはペアとして成長するのに役立つと思います」と言った。「オリンピック選手になることをずっと夢見ていました。オリンピックの試合に出場することで、バドミントン選手としてのキャリアが大きく違ってきます。」

新型コロナウィルスの感染拡大によるロックダウンで予期しない良いこともあった。「14週間もシャトルを打たないなんてとても変な感じです。」とバーチは言う。「でも、ボーイフレンドのジェームズと一緒に初めての家を買ったので、DIYの腕を磨いたり、料理をしたりする時間がたくさんありました。」

バーチは3兄姉のうちの末っ子として生まれた。彼女の兄と姉のダニエルとローレンもスポーツ好きで、バーチはよく2人に連れていかれた。バーチはスポーツの幅を広げようと色々なスポーツに挑戦していたため、12歳か13歳になるまでバドミントン1本に絞っていなかった。負けず嫌いになったのは末っ子だったからだと彼女は付け加えた。「いつも、兄や姉に勝ちたがっていました。」
 

そのような幼少期を過ごしたクロエ・バーチはその後、ヨークシャーで育った。イギリスのその地方は、思ったことをはっきり話す人が多いことで知られる。バーチは自分がとてもお喋りだと言い、コートでは短気になることを認めた。「学校では喋りっぱなしなの。」とバーチは言う。「ご想像通り、ヨークシャーで育ったので。」

バーチのプレースタイルからは、他にも多くのヨークシャー気質が見て取れる。バーチは必至に守っているときに果敢にコートを走りまわり、ポイントを失うとそれを認めないことがよくある。バーチは、努力と献身を続けると、どれほど選手が思いがけないほど成長するかを知ることができる良い例である。また、ヨークシャーで行われる試合には出来る限り出場し、自分を助けてくれた人たちに対して積極的に恩返しをしようとする。

世界バドミントン連盟のグランプリシリーズ開催が決まった今、クロエの当面の目標は、女子ダブルスで世界ランキング10位内に入ることだ。バーチは、昨年、ローレン・スミスとのペアで優勝したときの賞金がとても役立ったことを認め、次のように話した。「イギリススポーツカウンシルからサポートを受けていますが、固定給はないので、経済的に計画を立てるのが大変です。」そのため、バーチは1月にバボラとスポンサー契約を更新できたことを大変喜んだ。バーチがヨークシャー人らしい率直な人であることを思い出すなら、「バボラは喜んで協力させていただきたい素晴らしい会社です」と言うとき、それがお世辞ではないことはおわかりだろう。