「バボラのラケットであることがわからないようにして渡されても、プレーをしたらすぐにどのモデルかわかります。」— アスカ・モワリモウ

コモロ諸島沖のインド洋にある小さな島で育ったアスカ・モワリモウは、バボラの広告キャンペーンに起用され、グランドスラムで優勝した有名な女子選手の横に並ぶことになるとは夢にも思っていなかった。しかし、彼が、テニスコーチとバボララケットのテスターとして、長い道のりを歩いてきたことは確かだ。

アスカは、1990年に初めてフランスにやってきた。コモロ諸島にいた頃、アスカは国内で上位にランクインする選手だった。当時、フランスで教えるために必要な資格を持っていなかったが、フランスにあるクラブでテニスを教えないかという誘いがたちまち届いた。当初、2つのクラブで教えていたが、2010年からは、リヨンの近くにあるサトネのテニスクラブでメインコーチを務めている。
 

テスターとしての1日

 

バボラとの関係は、アスカがヨーロッパに来た時とほぼ同時期に始まった。「当時の私のコーチが、バボラのテスト担当者に、初代ピュアドライブのテストに私も参加させてもらえないか尋ねてくれました」と、アスカはそのきっかけを説明する。「その頃は、プロケネックスのラケットを使っていました。しかし、フレームが薄く、以前使用していたラケットに似ていたため、すぐにピュアドライブが気に入りました。」

アスカがラケットのテストに携わってから30年以上経つ。バボラファミリーに欠かせない1人として活躍するアスカは、ピュアドライブの2020年広告キャンペーンにガルビネ・ムグルサらと一緒に起用された。「今日は沢山のテストを行いました。午前10時にボールのテストをしました。このテストは1年に2~3回しか行いません。その後、午後2時30分からは、子ども用のラケットとストリングについてのビデオ会議に参加しました。通常、テストは3つの部分から構成されています。まず、自分のラケットでウォームアップしてから、提供された製品(ラケットかストリングのいずれか)を使ってテストし、フィードバックを行います。」
 

ブランド名を消したラケットを使用したブラインドテスト

 

「初めてテストに参加して以来、他のブランドのラケットを使ったことがないので、バボラ以外のラケットは推薦できません。バボラで行われるテストによっては、他のブランドのラケットが使われることがあります。その場合は通常、どのブランドのラケットでプレーをしているかがわからないように、ブランド名などを消した状態でブラインドテストを行います。私より好奇心が旺盛な友人には、どのブランドのラケットか区別できる人もいます。私には他のブランドの区別はつきませんが、バボラのラケットであることがわからないようにして渡されても、プレーをしたらすぐにどのモデルかわかります。」

アマチュア選手時代に、アスカは色々なバボラのラケットを沢山使ってきた。「私のトロフィーはすべて、ピュアドライブで試合に出て獲得したものです。リヨン大会で優勝し、フランス大会に出場することもできました。ローラン・ギャロスでプレーすることは、私の長年の夢でした。ピュアアエロを使って1年プレーしたことも、ピュアストライクを使って1年プレーしたこともありますが、それ以外はずっとピュアドライブを愛用しています。
 

次のグランドスラム女子シングルス優勝者?


「私の生徒は、大人も子どももバボラファンのようです。テニススクールでは、140人の子どもを教えています。一番若い生徒はまだ3歳です。子どもの生徒の70%がバボラのラケットを使用していて、その多くがジュニアナダルを使っています。大人の生徒は、グループレッスンで48人教えていますが、そのうちの60%がバボラのラケットを持っています。私のテニスクラブで1番人気のあるラケットはピュアドライブで、最新のピュアドライブラケットを購入する人も増えているようです。子どもたちが気に入っているとは、いい傾向ですね。」

子どもといえば、アスカ自身、2歳になる娘がいて、午後のレッスンが始まる前に、定期的にコートに連れ出している。アスカの娘はテニス界隈ではすでにちょっとした有名人だ。彼女がまだ6カ月のときに、アスカは娘にミニチュアのピュアアエロを贈り、ベビーバウンサーの上部に付いているゴム紐に小さなテニスボールをつけて、ラケットで打てるようにした。娘がボールを打つ様子をアスカが撮影した動画はすぐに人気となった。

「妻には話さなかったよ」と言って恥ずかしそうに微笑んだアスカは、次のように言葉を続けた。「でも、バボラは気に入ってくれて、その後、ミニラケットを沢山販売していました。」