「私が妊娠していたとき、お腹のなかにいた子どもにもパデルのボールがラケットに当たる音が聞こえてたと思います。生まれたとき、子どもたちにとってボールがラケットに当たる音はすでに馴染みのある音だったんです。」 ジェンセン・シルベント・ファミリー

今年、スペインで新型コロナウィルス感染拡大を抑えるために厳しいロックダウンが実施されたとき、他の人同様、アスリートたちもスポーツをしに外出することができなくなった。しかし、マドリードに住むパデルを愛するある一家は、その状況でもパデルを楽しむ方法を思いついた。

「家のなかの家具を動かして、1つの部屋の壁を練習に使えるようにしました。」と、そのときのことを思い出しながら、長年パデルプレーヤーとして活躍しているクローディア・シルベントは話した。「ロックダウン中もパデルができるようにすることで、少なくともラケットテクニックの練習ができました。」

スポーツに関心がない家族がいたら、部屋の1つをパデルの練習部屋にすることに反対するのではないかと思われるかもしれない。しかし、ジェンセン・シルベント家では、そのような問題は起こらない。家族の中でパデルに興味がない人はいないからだ。

家族5人(母親のクローディア・シルベントと父親のクリスチャン・ジェンセン、それからエンゾ、クリスチャン、クローディアの14歳~16歳の3人の子供たち)全員が熱心なパデルプレーヤーである。母親のクローディアと父親のクリスチャンは2人とも、フルタイムのパデルコーチである。クリスチャンは、選手時代トッププレーヤーだった。2人の子供たちは、国内外のチャンピオンシップでメダルやタイトルを獲得し、トロフィーを飾る棚をさらに賑やかにしている。子どもたちは指導を受けたり、WPTでキャリアを築いたりして、長期的な目標を達成しようと努力を重ねている。

「親と同じスポーツを始めても、そのうちに違うことに挑戦する子どももいます。」そう言って、クローディアは彼女の家族の深いパデル愛を説明した。「私自身がプレーヤーでもあり、トレーナーでもあります。私が妊娠していたとき、お腹のなかにいた子どもにもパデルのボールがラケットに当たる音が聞こえてたと思います。生まれたとき、子どもたちにとってボールがラケットに当たる音はすでに馴染みのある音だったんです。」

「パデルがこれほど幅広い人たちに人気があるのは、パデルがとても大衆的なスポーツであるというのも理由の1つです。」と父親のクリスチャンは言った。彼は、スペインで3カ月間ロックダウンが実施されている間も毎日子どもたちにフィットネスセッションを行った。「パデルをするのに特別な道具はいらないし、少なくとも始めは、十分発達した技術がなくてもプレーができます。6歳から80代まで誰でも気軽に楽しめます。」

息子のクリスチャンに聞いたところ、自宅には別のアクティビティができるスペースもあり、彼同様、弟のエンゾもフットボールやボクシングをするそうだ。「エンゾは僕のやることを真似るんだ。僕が彼にお手本を示してるんだよ。」そうはいうものの、彼のお気に入りのスポーツのなかで、何が一番好きかは明白である。それは、ジェンセン・シルベント家全員のお気に入りのスポーツでもある。

この5人家族は、全員がイタリアとアルゼンチンの2つの国籍を持ち、パデルの試合に出場するために、南米とヨーロッパを回っている。クローディア・ジュニアは「学校の友達は、なぜそんなによく旅行をするのかって聞くのよ」と言うが、家族5人とも、頻繁に旅行に行かなければならない生活に時折不都合を感じているものの、予期しない素晴らしいことがあるのも知っている。

母親のクローディアが、イタリア人コーチに子どもたちのプレーを見てもらうために、バルセロナからローマ南部にある町まで、車で大急ぎで移動したときのことを話してくれた。クローディアは当時を思い出し、「終わりのない旅でした。」と言ってから、次のように言葉を続けた。「でも、帰りに、コート・ダジュールを観光できたんです。ここも、パデルのおかげで行くことができた素敵な場所の一つです。」特に、一番下のエンゾが旅の魅力に惹かれたようで、現在はフランスとバルセロナに行きたくてしょうがないようだ。

家族でプレーすることには、その他のメリットもある。例えば、家族5人でチームを組み、スペインの試合で勝ち、景品として世界三大ハムの1つであるハモンセラーノ骨付き生ハムを一人一つずつ貰ったことがある。また、アルゼンチン人の人がよくそうするように、ジェンセン・シルベント家も出かけるときは食べ物と一緒に、マテ茶を忘れずに持参する。

クラウディアは、パデルプレーヤーに、出発する前の旅のアドバイスとして次のように勧めている。「飛行機で旅をするなら、ラケットは必ず手荷物に入れてください。荷物に入れていた服を紛失することがあります。もし、ラケットを無くしたらどうしますか?ラケットはあなたの腕の一部のようなものなので、無くさないように必ず手荷物に入れてください。」